「本気で好きじゃねーって思ってるなら、ちゃんと俺の目を見て言えよ」

涼太が低い声でそう言って、あたしの顎から手を離す。それから両手であたしの頬を包むと、彼から視線をそらせないようにした。

「ちゃんと俺の目を見て、もう一回言え」
「だから……」

好きじゃない────……

言おうとして、けれど口を閉ざす。

喉の奥がきゅっと絞まるような感覚がある。

あたしは涼太の目を見ながらでは、その言葉を口にすることができなかった。

「言えないくせに」

切なげな瞳であたしを見つめた涼太が、自嘲気味に笑う。

「違う」
「違わない」

涼太が強い口調で否定する。