萌菜は亜未と涼太のツーショット写真を撮ると、「ちょっと待ってて」と言いながらカメラを持ってどこかに行ってしまった。

「上原くんは、撮ってもらわなくてよかったの?」

萌菜を待つあいだ、上原くんに話しかける。

「いいよ、別に。里見はただ、涼太と宮坂さんにふたりで写真撮らせたかっただけだろ? よかったじゃん、記念ができて」

上原くんがあたしを見下ろしながら、口元にうっすらと笑みを浮かべる。

「記念とか別に……結局気まずいだけだったし」

萌菜が変なけしかけ方をしたせいか、亜未は写真を撮ったあとも涼太の隣にぴったりとくっついて離れない。亜未にちらっと視線を向けると、上原くんが同情するみたいにほんの少し眉を寄せた。

しばらく待っていると、萌菜が小さめのポラロイド写真を2枚持って戻ってきた。

萌菜がそのうちの1枚を亜未に渡す。

それからもう1枚をひらひらと軽く振ると、あたしと涼太の顔を交互に見比べた。

「さて、これはどうする?」