「ねぇ、友達呼んできたよ」

萌菜はあたし達を自分のクラスの展示教室に案内すると、店番らしき女子生徒にあたし達のことを託した。

そして「あとはごゆっくり」と言いながらまた忙しそうに外に出て行く。

萌菜に換わってあたし達を教室の中に引き入れてくれた女子は、既に空気を入れて膨らませてある細長いバルーンをあたし達にひとつずつ渡してくれた。そして、作り方をいろいろと教えてくれる。

細長いバルーンを捻って別の形にするのは意外に難しくて、試行錯誤の末にあたしと亜未は花を、涼太と上原くんはちょっと不細工な犬を作った。

「じゃぁ、写真撮りますね」

バルーンアートを作り終えると、カメラブースに立っていた女子生徒があたし達4人の写真を撮ってくれる。

写真が出来上がるのを待っていると、コルクボードを持って校内のお客さんを勧誘して回っていたらしい萌菜が戻ってきた。

「あ、もう作れたんだ?」
「写真できましたよ」

萌菜があたし達に近づいてくるのと、カメラを撮ってくれた女子生徒ができあがった写真を持ってきてくれたのはほぼ同時だった。