高校最後の夏休みは、あっという間に終わった。

ほとんど毎日学校の夏期講習と予備校に通いつめていたけれど、実際にどれだけ成果があったのかは正直言って、よくわからない。

教壇で話す柴崎先生の声を聞きながら、あたしは窓の外に視線を向けた。

2学期に入ったからすぐに涼しくなるいうわけでもなく、教室の中も外も夏の名残を残してまだ暑い。

空の遠くには、大きな入道雲が見える。真っ白な雲とと空の青さに、あたしは眉を寄せて、軽く目を細めた。

たとえ受験生でも、それと並行して通常の学校イベントは行われる。もうすぐ、高校生活最後の文化祭だ。

時間は少しずつ、だけど確実に流れていくのに、全てにおいて現実感がなかった。

柴崎先生の話が終わると、日直の合図でクラスメートたちがいっせいに立ち上がる。

「礼」の号令がかかり、1日が終わる。

機械的に小さく頭をさげて椅子に腰を落とすと、帰宅準備を整えた亜未が近づいてきた。