覗き込めば、黒い筒状のものだ。長さは20センチほど。

「これはいざという時には刀の代わりになるもの。長さはせいぜい50センチくらいまでだけど、役には立つから」
「何? それ」

 思わずボクはマユに声をかける。

「特殊警棒。伸縮する奴」
「へ?」
「まぁ……護身用? いざという時のためにね」

 特殊警棒――最近、ドラマでも見かけるようになった振ると伸びる棒のことだ。