どうしてもっと早く言わない? 知っていたら、一度くらい母親に文句の一つもぶつけてやれたかもしれないのに云々。思いつくままに乱暴に言葉を投げつけ続けた。

 ボクの正論に返す言葉もなく、ヘコヘコ頭を下げる健吾の姿はなかなかに滑稽で、おかげで怒り心頭だったボクの気持ちはあっという間に萎んでしまった。1時間くらいは説教してやろうと意気込んでいたのに、実際は正味10分。何とも情けない話だ。

 それから数日して、晶子――田母神京が緊急記者会見を開いた。ボクはテレビでそれを見ていた。

 京の隣の席には華が座り、華が実の娘であることを公表した。