でも、これからは違う。ボクたちは成人した。法律上は親の許可なく自分の意思だけで結婚だってできてしまう。

 大学も順調にいけば来年には卒業。大学を卒業したら――これまた就職活動の結果次第ではあるが――いよいよ社会人の仲間入りだ。

 社会人になったらボクは家族を作りたかった。そして――ボクの思い浮かべる家族にマユは不可欠なのだ。

 ボクはマユの顔に自分の顔を近づける。ボクの気持ちを察してくれたのか、マユが目を閉じるのが見えた。マユがボクの気持ちを受け入れてくれたことがとにかく嬉しかった。多少の照れを残しつつも、ボクもゆっくりと目を閉じた。