「これ見て」

 ボクは潔くマユに手紙を渡した。コンビニから戻って来たら、この子が玄関の前に立っていたんだ。簡単過ぎる説明もさり気なく付け加えておく。

 マユはサラサラと手紙に目を走らせ、預かるしかないっしょと事も無げに言い放った。

「そんな簡単に」
「でも手紙には施設には預けず、待ってて欲しいって書いてあるし」
「書いてあれば何でも言うとおりにするの? 例えば手紙に死んでくださいって書いてあったら言う通りにする? この子を豪邸に住まわせてくださいって書いてあったら?」