初めは通常のそうめんとして。次に薬味を入れて楽しんでもいい。飽きてきたらトマトを入れ、それを潰しながら食べれば、ちょっとばかりイタリアン風も楽しめる。そしてもう一つの呑水で、そうめんとひき肉を絡めれば、韓国風の味さえも楽しめる。なんて無国籍ぶりだろう。我ながらそう思うが、うまいのだから文句は言わせない。

 キッチンタイマーが時間を知らせ、そうめんをザルに上げたところで、阿吽《あうん》の呼吸という奴だろうか。玄関のドアが開く音がした。

 茹でたそうめんを氷水で締め、皿に盛り付ける。