「え!」
「急になんだよ」
かすみは俺の服装を上から下までジロジロ見ながら言った。


「もしかして、デートとか?」
「悪いかよ」

「へー健吾くん、噂通りやるじゃん」
相変わらずの上から目線に辟易する。

「何の噂だよ、お前からその言葉聞くと怖えんだけど」


ヒューとからかうように、かすみは俺の肩をグーパンチで押した。

かすみは話すたびに何かとグーパンチで俺の肩を押してくる。女のくせに馬鹿力で後に響く痛さがある。

だけど痛いというのも癪に障るから、黙って肩を抑えた。するとかすみは好奇心丸出しの声で言った。