日曜日、10時40分。

駅のホームで電車を待っていると背後から声をかけられた。

「あれ。もしかして健吾?」

聞き覚えのある声に振り返ると、
中学の時からの腐れ縁のかすみが珍しい物でも発見したような目つきで俺を見ていた。

「うわぁ、かすみじゃん」

思わず心の声が漏れてしまった。
しかし、俺は決して彼女のことを嫌っているわけではない。

何なら将来、同窓会で会いたいランキング上位5位以内には入るくらいの奴だ。