もしその記憶が現実ならば、
その誰かが愛美であることだけはあるはずがなかった。

愛美との休日のデートは今日が初めてで、今日に至るまで放課後のデートしかしたこと無いのだから。

でなければ、おそらくこの記憶は正夢か、デジャヴだ。

そうでなかったら、俺の記憶の断片から出来た新しい存在もしない記憶だ。


だからその記憶の中に、あの女の…かすみの不吉な言葉の記憶があるのだ。