貨物列車の轟音が頭蓋骨を貫き頭の中で響き渡った。そしてすぐに目眩と立ちくらみ襲いかかり白い光に包まれた。

体調不良のような目まぐるしく不快な感覚は徐々に馴染みのある温もりへと変化した。

いつの間にかしっかりと閉じていた瞳を開くか開かないか迷っている自分がいることに気が付いた。


そして、眠りから目覚めのような何もかもが一度リセットされたような感覚に包まれた。


そんなはずがない。
ここは駅のホームで。
俺はデートの帰りに…。


朦朧とする意識の中で唐突な激痛が背中を襲った。

生まれてきて今まで一度も経験したことのない痛さだった。

その不快感はまるで背中を誰かから体の内側と外側から拳でぐりぐりと押されているような痛みと不快感だった。