その後ろ姿に、
追い討ちをかけるようにかすみの予言が頭の中でリフレインする。

どうしてだ?
やっぱり今日のデートがダメだったのか?


突然の出来事に全身から力が抜けヨロヨロと近くのベンチに腰掛けた。

なぜだ?なぜ突然こんな風に…

いったい俺のどこがいけなかったんだ?


今朝、時計台の下のベンチに座っていた俺に白いワンピース姿の君は眩しかった。


「ね?今日どこ行くの?」

そうやって俺に尋ねる愛美にさえ見惚れて。

「まだ決めてないんだ」

舞い上がったまま愛美に答えると、
君は笑顔で言った。

「なんでもいいよ」

言ったじゃないか。何でもいいよって!

だから俺は、いつもの放課後みたいに2人で話してるだけで、それでいいって思ったんだ。


最悪だ。

明日の朝には俺たちが別れたってすぐに噂になるだろう。

彼女に振られた哀れな男にだけはなりたくなかった。

「あいつ、笹原に振られたんだってさ」
「健吾くん愛美に振られたんだ」

クラスメイト達が教室の至る所で噂をする姿が浮かんでくる。

「ほらねー言ったじゃん」
勝ち誇った顔で俺に言うかすみの顔まで浮かんできた。


いや、もはやそんなことはどうでもいい。


それ以上にあのコトもある。あれを愛美が誰かに言ったら、俺はもう…。