脱衣所にはチラホラ休み終わった女子が来始めていた。


「じゃあ私、先いってるね。」

「え?ちょっと、円!髪は?」

結が私の湿った髪を見て呼び止めた。

「いつも乾かさないから。」

「は?何言ってるの!
明日も修学旅行なんだよ!
可愛くしなきゃ。」

「いいよ、面倒くさいし。
どうせフラフラしてたら乾くし。」

「いいから!!」


結が力ずくで私を椅子に座らせた。

毎度のことながら、結の私を可愛くしようとする押しの強さには逆らえない。


仕方なく、結がブローしてくれるのを受け入れた。


「円ちゃんって可愛いのに、
なんか変だよね…。おもしろい。」

「そうでしょ!?篠原さん!
もったいないのよ、こいつ!」

「別にモテたいわけじゃないし、いいんだけどな…。」

「モテたくないのにモテるなんてかっこいいじゃん!」

「そうか…?」


結はうんうんと自信たっぷりに頷いた。