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ここ、どこだっけ…
なんか良い匂いがする…
知ってるようで知らない匂い。
あれ。
私、今何してるんだっけ…
この感覚、なんだっけ…
この感覚は…知って『寝るな!!!!』
「っ!!!」
目を開けると、視界には白いタイルと
さらさらと揺れるカーテンがあった。
ここ、どこ?
保健室…?
私、今横になってるの?
え、もしかして…寝てたの…?
額には汗がにじんでいた。
嘘。
寝ちゃったの?
怖い。
どうして…!
「ああ、うん。そう。
まだ起きねぇから、一応いるわ。」
そのとき、カーテンの外から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「はぁ、ほんとめんどくせぇわ。
なんでサッカーボール当たったくらいで気絶すんだよ。
ははっ…へーきだって、寝てるから。」
この声…宮くん?
「じゃーな。ああ。」
そんなことより、私…今、寝て…
慌ててカーテンを開けると、
思ったより近くに宮くんが座っていた。