「ほら、どーすんの?」
「……」
宮は軽く下唇を噛んだ。
「円。」
結に声をかけられ、宮から目をそらす。
「どうしたの?」
「これ以上やったら女子から非難の嵐だよ。」
たしかに…。
宮たちを囲んでいた女子が鋭く私をにらんでいる。
その中にはこの間仲良くなった京子ちゃんもいた。
せっかく仲良くなれたのに、
宮のせいで嫌われるのは癪だ。
それに、私はいいけど、
結と篠原さんが女子にいじめられるのも嫌だな。
「分かったよ、結。」
「うん…。」
さっきの話は聞こえていなかっただろうに、
さすが、結は私のことをよくわかっている。
喧嘩を売っていたのもバレバレみたい。
「宮。」
「…何…」
「私たちと組んでください。」
そう言って、頭を下げると、
宮は小さく舌打ちをして
「もちろん」と笑った。