「"円は"俺たちと組みたいだろ?」
「別に。」
「えっ…」
「な、何言ってるの?円!
宮くんたちと同じ班とか最高でしょ!」
「最高?別に普通だよ。
宮は私の友達だけど、
結と組めたことの方が私は嬉しい。」
宮は相変わらず笑顔を浮かべているけれど、
その口許はひくついていた。
「それに、その上から目線の態度が気にくわない。」
「上から目線のつもりはないけどな…。」
どの口が言うか!
イライラが沸点に近づき、
私は宮のネクタイを引っ張った。
周りの女子からまた悲鳴が上がった。
私は宮にだけ聞こえる声で言った。
「何たくらんでんの?」
「たくらんでねぇよ。
他の女よりはお前らの方がいいっつってんの。」
「全員があんたを好きだなんてうぬぼれない方がいいよ。」
「偉そうに。」
「偉いよ。あんたの弱味、握ってるからね。」
「この、性格ブス。」
「なんとでも言えば。
あたしらと組みたいなら、ちゃんとお願いしてみなよ。それが普通でしょ?」
ネクタイを離すと、宮は悔しそうな表情を浮かべていた。