「おはよう、円。」

「結、おはよ。」


登校一番、結が話しかけてきてくれた。

結とは夏休み中もちょくちょく会っていたので、
緊張することもない。


「結局お祭り以来宮くんとは…」

「会うわけないでしょ。」

「えー…」


結は相変わらずことあるごとに宮と私をくっつけようとする。

無駄だって言っても、全然聞く耳持たない。

夏祭りのあとも二人でフェードアウトしたって、
ラインで散々いじられた。


結が膨れっ面を元に戻して私に尋ねる。

「今日何するのかな。」

「んー、安否確認とかじゃない?」

「このあと遊ぼうよ!」

「うん…。」


そのとき、教室の後ろ扉から宮が爽やかに登場した。

すると、すぐに周りに人が集まる。

やっぱりすごい人気だな…。

宮、久しぶりに見た。
相変わらず演技も健在だし、元気そう。

宮のすぐ近くに夏祭りで仲良くしていた女の子がいた。


ズキッ…


「??」

「円?どうした?」

「いや…」


そのとき、教室の前扉も勢いよく開き、
先生が「HR始めるぞ~」と言いながら入室してきた。