ノルマの持久走が終わり、
私は校庭の隅に座り込んだ。


きつい…!

遅く走って、
ばれずに一周遅れにしたにも関わらず、
私の息は相当上がっていた。


これは本格的に眠れるようにならないと…


そのためにはまずは…

ウォータークーラーのそばで他の女子と話す結を見る。

結と仲直りしたい…!


「…よし……」


息が整った頃、
私は覚悟を決めて立ち上がった。


結の方へ向かい、歩みを進める。


謝って、ちゃんと話して…
わかってもらいたい。

私の気持ちも、不眠症のことも。


そして、結の気持ちもちゃんとわかりたい。


私はひとつ、大きな深呼吸をした。




「ゆ…っ…!!!!」



結の名前を呼びきる前に、
頭に強い痛みが走り、
私は校庭の真ん中で意識を失った。