「お、あいつらやっと来た。」


クラスメイトの男子がそう言ったので、
みんなでその視線の先をたどった。


宮たちだ…。


クラスの目立つ女の子二人も一緒。

女子はみんな浴衣で、
男子の中では宮と平塚くんだけが浴衣だった。


「円、宮くん来たよ!」

「うん。」

「あいさつしなよ!」

「だから別にアイツに見せるとかはどうでもよくて…」


なんで結は私と宮をそんなにくっつけようとするのか…。

宮があんな性格だって知らないせいもあるのかな。


「みんな、お待たせ。行こっか!」


宮が爽やかに挨拶をすると、
みんなが緩く返事をし、屋台の並ぶ方へ歩きだした。


「それにしてもすごい人だね、円。」

「うん。浴衣だからすぐ疲れそう…」

「また円はそんなひ弱なこと言って!」

「だってひ弱だし。」

「今日はキラキラ女子でいくんでしょ?」

そう決めたのは結だから、
私に意気込みはないんだけどなぁ。

まぁ、とりあえず 

「うん…」

って言っとくか。


私の心の声が読めているのか、
結はじっと私の顔をにらんだが、
それ以上は何も言わなかった。