「別によくない?いつもこうだし。」

「ダメだよ!平塚くん、言ってたんだよね?
合コンみたいなもんだって。」

「あぁ、うん。だから浴衣で…」

「ダメ!!私が円を前みたいな
輝く笑顔のおしゃれ女子にしてあげる!」

「えっ、うわっ!」


結は私を無理矢理鏡の前に座らせ、
問答無用でドライヤーを当ててきた。


「せっかくだしさ、宮くんにも可愛いと思ってもらいたくない?」

「別に。」

「じゃあ平塚くんでもいいからさ!
恋とかに消極的なの、円の悪い癖だよ。」

「…うん…」


ドライヤーと結の勢いがすごいから、
なんかめんどくさがるのもめんどくさくなった。


「じゃあ、お願いします…。」

「よろしい。」


結は嬉しそうに笑うと、
髪だけでなく、化粧も施してくれた。