不眠姫と腹黒王子




なんか…
いつもの宮じゃない。


「俺は円と友達になったつもりだったんだけどな。」

「バカにしてんの?」

「してないって!
仲直りしようとしてるんだよ。」

「耳障りだからやめてくれる?」

「…何が?」

「そんな下らない爽やか演じて楽しい?」

「ははっ、バレた?」

「っ…
早く帰って。体調悪いの。」


私のことからかいにきたのか?

わざとらしく王子様やったりして、
挑発してるとしか思えない。


「俺がいないと寝れないくせに。」

「前から言おうと思ってたんどけどさ。
私、そういう猫かぶりしてる宮、
だいっきらい!」

「昨日の"だいっきらい"はそういうこと?」

「それだけじゃないけど、
まぁおおむねそうだよ。」

「ふーん…
俺はお前のこと、割と好きだよ」

「っ、だから…!」

「ほんと。
俺の本心見抜けるのお前くらいだし。」

「それは最初に電話聞いたから…」

「その後も含めてだよ。
俺の表層しか見ないでコロッと惚れて、
きゃっきゃ言ってる女とは違う。
俺の本心にも気づかない。
本当の俺を見ようともしない。
そんなバカなやつら大嫌いだ。」


宮は冷たい声でそう言いきった。