不眠姫と腹黒王子




意気込んだ…
のは、いいものの…。


学校に着いた途端、暑かったのもあって、
体調が悪化してしまった。

本当は保健室に連続で行くのは嫌だけど…。


「失礼します…」


保健室の中にはまだ誰もいなかった。

電気をつけ、勝手に昨日のベッドに潜り込む。


先生が来るまでちょっと寝させてもらおう!


昨日も眠れたんだし、
きっと今日も
寝…
れ…

ない!!!


やっぱり昨日のは気絶だったのかな。

宮がいないと…


その時、ガラッと保健室の扉が開いた。

ヤバ、先生…!?


「あ、あの、おはようございます…!」


私が体を起こしてそう言うと、
入ってきた人物はクスッと笑った。


「はい、おはようございます。」

「宮!」

「ずいぶん顔色悪いよ。」

「いや…その…これは…」


宮はじっと私の目を覗き込んだ。

なんとなく、私はその視線から逃れようと目をそらした。


「ねぇ、昨日のあれ、本心?
さすがの俺でもさ…割と傷ついたんだけど。」

「……。」


宮は昨日の朝みたいに爽やかに笑って見せた。