「え、そう見える?
ははは、でも残念ながら違うよ。
こんな美人な子と付き合えたらいいけどね。」


その返答に、女の子たちは
「なんだ、ちがうのかぁ」
「よかった~」
と安堵の声を漏らしていた。


「今日は勉強しに早く登校したら、
偶然円がいただけ。」

「あ、でもそういえば名前呼び!」

「あぁ、それは…

円が徹とも仲良いからだよ。
あいつチャラいからすぐ名前で呼んでさ。
移っちゃったんだ。」

よくもまぁペラペラと。

「そっかぁ。
やっぱり宮くんはみんなの王子様だから、
誰かのものになるとちょっと悲しかったんだ!
アハハ!」

「まじで?王子様とか柄じゃないって。」


楽しそうに笑う三人を見て、
胸焼けがますます広がっていく。

なにそれ、何がおもしろいの?

何にそんなに笑ってるの?


宮はそんな風に笑わない。

自分のこと『爽やか王子様』だって言うやつだ。


そんなに王子様演じて楽しい?

誰にでもいい顔して、みんなから好かれて、
なんか…そんな宮…

気持ち悪い…。