普段同様、
登校時間の一時間前に学校の門をくぐった。
勉強しようと意気込んだのはいいものの、
正直試験範囲の勉強なんてとっくに終わってしまった。
何しよう、暇だな…。
そんなことを考えながら教室の扉を開けると、
「よ。」
と予想外に声をかけられ、一瞬固まった。
「え…み、や?」
「相変わらずはえぇな。暇人。」
そこにはちょっと機嫌の良い宮がいた。
宮の机の上には教科書が広がっており、
勉強している様子だった。
「今日早いね。勉強?」
「そ。来週テストだしな。
あとは、お前の朝の寝不足不細工顔でも拝もうと思って。」
宮はハハッといたずらっぽく笑った。
「な…何それ…。」
嬉しい。
嬉しい!
一人ぼっちだと思っていた朝に宮がいてくれたことが、
とにかくものすごく嬉しかった。
「お前も勉強すんだろ?
一緒にやろーぜ。」
「……
なんか今日ご機嫌だね。きもいよ。」
「っはぁ!?
早起きしたからいい気分だったんだよ!
今の一言で結構沈んだけどな。」
「あら、ごめんなさい。」
そう言うと、宮は気にしてない様子で
また教科書に視線を落とした。