「お前、言い方きつくね?」


電車の中で、徹がそんなことを言ってきた。


「いつもああだし。へーきだよ。」

「俺は慣れてるからいいけど、
高山さんは女の子だぞ。」

「いいんだよ。
別に好きなわけでもねぇし。」

「へぇ~。」


徹はニヤニヤしながら、俺の顔を覗き込んできた。


「なんだよ。」

「高山さんって可愛いよな。」

「まぁ、元は人気あったみたいだしな。」

「さっきお前の服の裾掴んだときとか、
めっちゃうらやましかったんだけど。」


たしかに、円は人との距離感がおかしい。

特に俺とは一緒にいる時間が長いし、
匂いが好きとか言ってるから、距離が近い。


「てゆうかさ、お前高山さんが寝てるとき本当に手ぇ出してないの?」

「出さねぇよ。アホか。」

「えー!もったいねぇ!!
あんなエロい体目の前にして、
お前仙人かよ!」


徹は頭を抱えてうずくまった。