まぁ、でも美人だよな…。

顔色が良くなってきて、
最近ますますそれを感じる。


円が下校時刻ごろに目を覚ますと、
「おはよう」
と動揺することもなく呟いた。


慣れた手つきでてきぱきと椅子を片付けると、
円はすぐに帰り支度を始める。


「お前、夜は寝れてんの?」

「まだ…。」

「夏休みはどうするんだよ。」

「……
なんとかなるよ。」


円は真顔のまま俺を振り返ると、教室を出た。

帰ろう、の合図だ。


『なんとかなるよ』と言われても、
『そんなわけない!』とか言えない。

その流れだと『じゃあ協力して』ってなるだろ。

俺はいつだって冷静に
この契約から早く解放される術を探している。