***
キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音で目を覚ました。
寝返りを打つと、
宮がつまらなそうにスマホを見ている。
「宮」
「起きた?
一時間くらい寝てたぞ。」
「……。」
身体を起こすと、一昨日より震えてはいなかった。
大丈夫…なはず。
「おい、へーきかよ。」
「え?」
「いや、一昨日は泣いてたろ?」
「うん、慣れたのかな…。
それに、起きたら宮がいてくれて、安心した。」
「あっそ」
宮は小さくため息をついた。
『そんなに私が嫌い?』
聞こうとしてやめた。
だって答えなんてわかりきっている。
前も言われたしね。
私も好きじゃないし。嫌いでもないけど。
あれ…でも私、前までは宮のこと苦手だって思ってなかったっけ…
「おい、円。」
「え?」
「帰るだろ?まだ寝んの?」
「いや、今日はもういい。帰ろ。」
ベッドから降り、荷物を持ち上げる。
時間差を作るために、宮は先に保健室を出た。
先に帰ったかな。
まぁ別にいつもなんとなく一緒に帰ってるだけだけど。
数分後、下駄箱に行くと、
そこには宮が立っていた。