「宮くん、円が眠れるように協力してるってことだよね?」

「そうだよ。
寝てるときそばにいてほしいって言うからさ。」

「くれぐれも!円に変なことしないでよね!」


そう言うと、結は私の手を引いて走り出した。


「ゆ、結!なんてことを!」


そんなこと言ったら、
あの腹黒王子はぶちギレるに決まってる。


「いいの!私の大事な友達のことだもん!」


そう言ってくれるのは嬉しいけど…
結にもひどいこと言ってくるんじゃ…


屋上の出口の手前で振り返ると、
意外にもケラケラ笑っている宮の姿が見えた。


そう言えば、
他の人に言うなって約束した契約のこと、
言っても怒らなかったな。

それに、なんだかんだ最後までお昼ご飯も食べずに一緒にいてくれた。



5時間目のあと、
友達に囲まれて宮はご飯を食べていた。

どうしたのかと、友達に聞かれて
「用事があったんだ」
と爽やかに回答する宮を、
ちょっとだけ見直したことは黙っておく。