「あの…結?」


驚きすぎて私の涙も引っ込んでしまった。


「ごめっ…ごめんねぇ…
わ、たしね…そばにいても円のこと
何にも助けてあげられてないって…
自分を、責めちゃって…
円といるの苦しくって…逃げてたの…
ごめんっ……」

「な、何言ってるの!?
私、どれだけ結に助けられたか…!」

「でも、どんどん円の顔色悪くなってくし…
笑うこともなくなって…」

「そ、それは…」


「おい、円。」


そのとき、宮がずっと黙っていた口を開いた。


結は大泣き状態で、
宮の言葉なんて聞く余裕はない。


「お前、不眠症のこと佐竹さんに言ったの?」

「い、言ってない…。
心配させると思って…」

「はぁ…
言え。そのせいじゃねぇの?」


そっか…
不眠症だから、体調悪かっただけなのに、
結は自分が何もできないって責めてたんだ。

不眠症なのは、宮に協力してもらう以外どうしようもないことだったのに、
ましてや結のせいなんかじゃないのに…。


「結っ!聞いて!」


私が結の肩をしっかりと掴むと、
結は泣きながら私の目を見てくれた。

久々に…目が合った気がする。


「私、不眠症なの!!」

「へ…?」

「寝れないの!寝るのが怖いの!
でも、これは宮以外治せなくて…。」

「何?ふ、不眠?」


結は少し落ち着いたようで、
ポケットからティッシュを取り出し、
涙と鼻水を拭った。