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登校時間一時間前の教室には
基本的に人がいない。
でも、朝一番の澄んだ空気を吸うのは好きだった。
今日はみんなが来るまで何しよっかな…
そんなことを考えながら、2年2組の教室のドアを開けた。
はぁ~、今日も清々しい空気!!
「あ、高山さんだ。」
「え…?」
予期せず声をかけられ、一瞬かなり驚いた。
「宮…くん…。」
「おはよう!早いね。」
「うん…。」
彼の名前は宮 恭介。
朝から爽やかオーラ全開の笑顔に寝不足の私の纏う暗さが圧倒される。
見目は確かにカッコいいんだけど、
正直私には胸やけするタイプの人間だ。
清々しいと思った空気も、
こいつが一回以上吸って吐いたものだったと思うと、ショックだった。
いや、こんなこと思う女子おかしいよね?
まぁ、私異常だから。