登校時間になり、
教室が騒がしくなってきた頃、
結も登校してきた。


前だったら、私の席に来て挨拶をしてくれたが、
最近はそのまま自分の席につく。

今日もそうだった。


勇気…出さなきゃ…。


私は立ち上がり、結の席へ近づいた。


「結…」

「あ…円、おはよう。」


挨拶をすれば、結は固い笑顔で挨拶を返してくれる。


宮の方をチラッと見ると、
仲の良い友達に囲まれて、こっちを見ている様子はなかった。

なんか…怖い…。


「あのさ、話したいことがあるんだ。
昼休み、屋上に来れない?」

「え…うん…。
わかった。」

「ありがと…。」


結の顔は見れなかった。

優しい結が私を冷たくにらんでいたら、と思うと、怖かった。


でも、とりあえず約束はできた。

「じゃあ」
と言い、早々に私は自分の席に戻った。


あ、宮のこと言うの忘れてた。

でも来てくれるんだ…。

最初より少しばかり安心して、
私は一時間目、寝る体勢を整えた。