「宮くん、ご飯たくさん食べていきなさい。」
「ありがとうございます。」
「これ、ほぼあたしの手作り。さすがでしょ。」
「自分で言うな。」
宮は結構リラックスしているように見える。
以前、クラス全員の前で本性をさらしてから、学校では割と素に近い。
あれ以来、宮が嫌われたりするかもと心配していたけれど、むしろ一部の女子のファン熱は高まって、今や『腹黒王子様』なんて言われている。
男子にもとっつきやすくなったとかで人気だし。
やっぱり宮はカリスマっぽいよね。
「宮くん、学校で円はどうかな?
元気にやってる?」
お父さんは心配性らしい質問を宮にした。
「いつも元気だって言ってるのに。」
「はい、体育も最近ちゃんとやってるらしいですし。」
「そ、そんなとこ見てんの…?」
「佐竹さんが言ってたんだよ。」
「なーんだ。」
私がへらっと笑うと、お父さんは嬉しそうに笑った。
「本当、いつも円と仲良くしてくれてありがとう。」
お父さんの笑顔を見て、宮は何かを考えるように数秒硬直する。
「お前…言ってないの?」
そしたら急にそう問い掛けてくるから、私もお箸が止まった。
「ちょ、そ…それは…!」
「???」
お父さんも不思議そうに私たちを見ている。
「俺たち付き合ってるんです。」
ギャーーーーー!!!
は、恥ずっっ…!
なんでそんなはっきり言うのー!
宮のバカ!
私は恐る恐るお父さんの顔を見上げると、
驚きで目を丸くした。