その他用意していた作戦もことごとく宮に玉砕され、夕方には私も結も諦めムードになっていた。
お互いの気持ちを察したように、自然と私たちは疲れた顔を見合わせる。
「もう暗くなってきたね。」
「うん…。」
「まぁまた次頑張ろう。」
「別にいいよ。もともと無謀なことだったし…」
結はそれ以上何も言わず、申し訳なさそうに眉を下げた。
結が悪いんじゃない。
宮も別に素直に生きてるだけだ。悪くない。
悪いとしたら、きっと魅力が足りない私。
と言うより、条件を破って宮を好きになった私が悪い。
「おい、円。」
「えっ」
ぼーっと思考を巡らせていた私は、
上から呼ばれて我に返った。
宮だ。
「お前大丈夫か?
さすがに疲れたんだろ。」
「えっ…うん。まぁ…。」
久々の長い外出。
さらには作戦遂行のためにずいぶん神経をすり減らした。
いくら絶好調と言っても、私の足と頭は重たくなっていた。
宮は私の顔をじっと見つめたあと、
平塚くんを呼び止めた。
「徹、そろそろ帰るぞ。次で最後な。」
「え~、早くねぇか?」
「ならお前は一人で残れ。」
「ちぇ、ケーーチ。
結ちゃん、最後何がいい?」
平塚くんと結は最後に乗るアトラクションの相談を始めた。