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作戦⑤
可愛げある女

午後、最初に不良に邪魔されたこの遊園地目玉のジェットコースターに再び並ぶ。

朝より列はずいぶん長くなっていた。

よし、作戦決行には十分時間がある。

いざ!!


「円、そのイヤリング可愛い!」

「あ、これ?えへへ!
これは宮が夏祭りで取ってくれて…。」

プレゼントをけなげに使っている女!
可愛げあるよね?

宮を見上げると、「あぁ」と懐かしそうにイヤリングを見た。

「それまだ使ってたんだ。」

「うんっ!これ見てると安心して眠れるんだ。」

「へぇ~。」

「…」
「…」

え、終わり!?
反応薄っ!!


それなら…


「きゃっ」
つまずいたふりをして、宮の腕に寄りかかった。

「わ、円大丈夫?」

「うん、アハハ…宮もごめん。」

ドジっ娘!
これも可愛げあるよね?

「なに、もう疲れた?」

「えっ、そういうわけじゃ…」

「荷物持ってやろっか。」

宮は私の返事も聞かず、カバンを奪った。

「宮っ、別に平気だよ。」

「頼れるときは素直に頼っとけよ。」

「でも…」

「可愛げのねぇ女だな。」

ガーーーン…


*結果*
思われたいことと真逆のことを言われて
心が折れる。