って!!
宮にドキドキさせられてどうする!
これはあくまで『宮(を)ドキドキ(させる)作戦』
なのに。
興奮していた思考に気がつき、冷静になる。
あんまり考えすぎると疲れてしまう。
いつも通りの私でいなくちゃ。
と、ゆーことで。
***
作戦②
言語的攻撃
「円ってさ、本当にスタイルいいよね!」
「急に何?結。」
もちろん急ではない。
一週間で考えたシナリオだ。
お化け屋敷を出たあと、みんなで次の乗り物に並んでいる最中、私たちは次の作戦に出た。
一般高校生男子が興奮しそうな言語で宮を刺激し、本能を攻撃する作戦だ。
つまりはちょっと大人な会話で宮をつっついてドキドキさせてやれってこと。
「だってさ、細いのに付いてるところは付いてるっていうか…!」
「たしかに!円ちゃんの体型は男の理想だよ!」
早速"一般高校生男子その1"が食いついた。
目をそらしながらいやらしい笑顔を浮かべる平塚くんを見て、
攻撃方法が正しいことへの安心と
朝イチ絡まれた男に感じた不快感と似たものが心に浮かんだ。
いやいや。
平塚くんと今朝の男を重ねるのは失礼だ。
そう思い、後者の感情を胸の奥にしまい込んだ。