「どうする?円ちゃん、結ちゃん。
SNS晒すの許してあげる?」

平塚くんがニッコリと私たちに尋ねた。

「え、うん…まぁ。」
「別にいいよ。」

「だってさ。よかったな。」


宮は手を離し、男がホッと息をついたその瞬間

男の身体は1メートル後ろに倒れた。


何が起こったのか、一瞬私の行動も思考も停止する。

「み、宮くん!?」
「殴った!?」

「逃げるぞ。」


平塚くんは結の手を取り、先に走り出した。


「円、走れるか。」

「え…えと…」

「あー、もういい。」


宮は私を抱き上げ、「よいしょ」とお姫様だっこした。


「なっ、なっ!!み、宮!!」

お姫様だっこって…!!

「掴まれ。走る。」

「ま、待って!自分で走る!走るから!」


私の制止も聞かず、そのまま宮は走り出した。


は、恥ずかしい…!
重いって思われるかも。

でも…

私は宮の肩にぎゅっと掴まった。


私のためにあんなに怒ってくれて嬉しかったよ。
ありがとう。


しばらく走ると、二人が座って待っているベンチに私たちもたどり着いた。