「じゃあ最初ここな。」
とりあえず平塚くんと結に付いてきた先、
たどり着いたのはこの遊園地で一番目玉のジェットコースターだった。
かなり高い位置で真下に落ちていく乗り物から
悲鳴が聞こえてくる。
「高いけど、大丈夫?宮。」
ニヤニヤしながら宮を見ると、少し青ざめながら
「当たり前だろ。」と大見栄を切った。
そんな姿がたまらなく可笑しい。
宮はなんだかずっとそわそわしていて、
列が10メートルほど進んだころ
「まだ抜けれるよな。俺飲み物買ってくる。」
と言って、列を抜けた。
「逃げるなよ、宮。」
「逃げるか、バカ。」
「恭介、俺も行く。」
宮に続いて平塚くんも仕切りのロープをくぐり、列の外に出た。
「円ちゃんと結ちゃんは?なんかいる?」
「ううん、私たちは買ってきてるから。」
「了解!すぐ戻るね。」
二人は早歩きで売店の方へ向かっていった。