集合場所には何人かの待ち人がいて、
私たちは目を凝らして宮たちを探した。

初めて見る私服だからな。
見つけるのも骨が折れそうだ。


「あ、いたよ!円。」


結は少ししたらすぐに宮たちを見つけ、
私を誘導して近づいていった。


「宮くん。平塚くん。」

「お。おはよ!」
「おせぇぞ。」

明るく挨拶をしてくれるのは平塚くん。
早々に悪態をつくのはもちろん宮。

「ごめんね!なかなか二人を見つけられなくて。」

「全然良いよ!
ていうか、二人ともかーわいい♡」

平塚くんは緩んだ笑顔で私たちをじっと見ると、
嬉しそうにうんうんと頷いた。

「ホント!?ありがとう~!
二人も私服新鮮!やっぱりイケメンは眼福だね!」

宮は大袈裟だと言って、軽く笑った。
教室での固い笑顔じゃない。いつものだ。

「円。」
「えっ!?」

ボーッと見ていた宮にいきなり声をかけられ、
すぐに我に返った。

「なんもしゃべんねぇけど、元気か?」

「え、うん…。今日はかなり。」


「やーん、宮くん優しい♡」
「気遣いできる男!よっ!」


宮は結と平塚くんの煽りを「バカ」と一蹴し、
私のおでこにでこぴんすると、歩き出した。

「行くぞ。結構混んできた。」

「うん…!」

私は小走りで宮の隣に追い付き、
彼の歩幅に合わせて歩き出した。