「おい、恭介。飯いこうぜ。」

「ん、ああ。」

教室に戻ると徹に声をかけられた。
徹と二人で食堂に行くのが日課だからだ。

「何?機嫌悪い?」

「まぁ、めんどくせぇことになって。」

「あぁ。遊園地か?」

「はっ?なんで、お前知ってんの?」

「えー、そんなの決まってるでしょ。
俺も行くから♡」

「は?聞いてねぇ。ますますめんどくせぇ。
やっぱ断って…」

「いやいや、待てって!
もうこの間みたいに無理矢理円ちゃんとくっつけようとしないからさ!
一緒に行こうぜ。」

「……。」

俺が疑いの目を向けると、徹はわざとらしくへらっと笑った。

「円ちゃんが遊びに行きたいって言ってるんだろ?
良い傾向じゃん。
"協力"、しなくて済むようになるかもしれねぇだろ?」

まぁたしかに。
深海よりも暗い円が遊園地に行きたいなんて、
思惑は何であれ良い兆しなのかもしれない。

俺も『友達』なら、一緒に行ったってなんの問題もないはずだ。
あいつ、友達少ないしな。

「わーったよ。
行きゃいいんだろ。」

「いよっし!!」


徹は俺の目の前でガッツポーズをすると、
すぐさま佐竹さんにメッセージを送った。