そうして円が戻ってきてから数日間、
円の言う"協力"をしていたら円の体調も大分良くなってきたようだ。

日常生活も今まで通り送れている様子。


しかし、契約関係から友人関係になって、
惜しまず協力してやってるにも関わらず、
俺への態度は以前とほとんど変わらない。
前より少しなついたかなぁ、くらいのレベル。

きっと、俺がなぜ修学旅行で円を遠ざけるような発言をしたのかなんて、考えもしないんだろうな。

それなら、自分でもよくわかっていない感情をあえて言う必要もないよな。
今の関係を築けているこいつには。


「み、宮…!!」


そんな俺の気遣いもおかまいなしに、
教室移動の帰り、円は俺の手をとって呼び止めた。


「あ、あの…
ゆ、遊園地…好き??」

「遊園地??」


急になに言い出すんだ、こいつ。

円の隣には佐竹さんがニコニコしながら立っている。
会話が始まると、円は俺の手を離した。


「別に…
好きでも嫌いでもないけど…。」

「はっ、悲しいやつ…むごっ…」


なんか憎たらしい顔で何かを言いかけて、
佐竹さんによって円の口は塞がれた。