「ていうか、宮くんそういうキャラだったんだ…」
「あっ、そう言えば本性出ちゃってる…!」
「いーんだよ。緊急事態だ。」
「いや、まぁなんとなく予想はしてたけどね。
円がむきになったりしてるんだから、何かしら
癖のある性格なんだろうなとは思ってた。」
「さすが結!私のことわかってる!」
結は久々に満面の笑顔で笑った。
きっと今日のことだけじゃない。
結はこの1週間ずっと、
私のこと心配してくれてたんだろうな…。
「まぁとにかく、お前今日は入院だってさ。
俺たちお前の荷物取ってきてやるから。」
「えっ、入院…!?
無理だよ!お父さんにバレちゃう!」
「まだそんなこと言ってんのか。」
「だって…」
「ていうか、もう学校から連絡いっちゃってると思うけど…。」
「えっ!!」
その時、部屋の扉が勢いよく開いた。
驚いてみんなでその方向を見ると、
息を切らして立っている男の人。
「円!!!」
「お、お父さん…」
私を見た途端、お父さんは目から大量の涙を
流して駆け寄ってきた。
「お、お父さん…??」
「円…!お前、無事か?
頭打ったって聞いて…」
「あ、その…転んじゃって…
でももうそんなに痛くないし。」
「そ、そうかっ…うっ…ううっ…」
お父さんは私の返事を聞くと、この四人の中で
誰よりもわんわんと泣き始めた。
「お父さん!?」
「うっ、もし…
円まで…円まで失ったら…
考えただけで…怖くて気が狂いそうだったっ…」
「……。」
「円。」
宮が私の名前を呼んだ。
「話した方がいいだろ。本当のこと。」
「うん……」
「うっ、うっ…円?」
「お父さん、ごめんね。
私…実は」
私は今までお父さんに隠していたすべてのことを
話した。
不眠症のこと、今日の出来事、宮のこと。
お父さんはずっと泣いていたけれど、
私の話をちゃんと聞いてくれた。