死因は虚血性心疾患だった。
過労によるストレスが主な原因。
眠ったまま亡くなって、
苦しんだ様子もなかった。
だから、きっと
眠るのが怖いのはそんな母の様子を鮮明に覚えているから。
自分も眠ったまま死んでしまいそうで…
そんなことないって頭では分かっているのに、
怖くて怖くて仕方がない。
家に着くころには夕日は沈んでいた。
帰宅して早々、ご飯の準備を始める。
長い夜の始まりだ。
作ったご飯を食べて、テレビを見て、
夜中にお父さんが帰ってきたら、
またご飯を温めて、お父さんはすぐに寝る。
いつもはそれから勉強したり、本を読んで夜を過ごしていた。
でも、今日は考えなければならないことがある。
宮 恭介。
あいつのそばだといつもより深く長く眠ることができた。
気絶してたからなのか、
宮くんが原因なのか…
さっきは怖くて逃げ出してしまったけれど、
ちゃんと真相を確かめたい。
そのためにはもう一度、
私が寝てるそばにいてもらう必要がある。
私は一晩かけて、
宮くんに協力してもらえる計画を企んだ。