そんな生活が1週間も続いた頃ーー

「円、体育出るの?」

「え…」

結に声をかけられ、
ぼーっとしていた頭が目覚める。


「うん。不眠症は治ったことにしてるから。」

「そんなに調子悪そうなのに…?」

「結は先入観あるからだよ。元気元気。」

「じゃあ…せめて無理しないでよね?」

「はーい。」


体育館に行き、準備運動のあと軽くジョギングを
する。
それだけでもう息が上がってしまう。

1週間で体重は3キロ減った。
よくさっきみたいにボーッとして、
声をかけられてハッとすることがある。

結にはあんなこと言ったけど、正直前よりひどい。

どうにかしないと…


今日の体育はバスケだった。

自分のチームが試合のときはほとんどゴールの下で突っ立っていた。


結がクラスの子に上手く言ってくれたみたいで、
文句を言われたりすることもなく…
気がつけば体育は終わっていた。

別に言われてもいいんだけどね。
傷つく心も怒る心も、今は凍っているから。


「円、委員会の提出プリントささっと出してくるから、先行くね。」

「え、うん。」

結は体育が終わったあと、
急いで着替えて走って行ってしまった。