放課後まで泣き続けて、
私はようやく落ち着きを取り戻した。


帰ろ…。


誰もいないことを確認して、
教室から荷物をとり、
逃げるように学校をあとにした。


もう夕日は沈みかけている。


どれくらい寝てたんだろう…。


泣いてたのが2時間くらいって考えたら、
寝てたのは4時間くらい…?



『寝るな。』


私にそう囁き続けるのは、
きっと私の"防衛本能"だ。


私は眠るのが怖い。

原因はわかりきっている。

先月お母さんが亡くなったことだ。


うちは両親共働きで、
どちらも夜中まで働く忙しい人たちだった。


私より早く家を出て、
私がうとうとし始める頃に帰ってくる。


父は帰らないことも多かった。


別に家族仲が悪かった訳じゃない。


実際お母さんが亡くなった日から、
お父さんは三日三晩泣き続けていたし。

それくらいお母さんを愛していて、
私のことも愛してくれてる。


それでも、仕事の量は変わらないわけで…


今も朝から晩まで父は働いている。