「う゛…」
一足遅かった…。
「??」
円は今夜も髪がまっすぐ整えられている。
傾げた細い首筋をさらさらと髪が撫でた。
俺は思わず目を背ける。
「結にまたごり押しされて来た。
今日はね、結と篠原さんと
部屋の女子も一緒だよ。」
「あ、あぁ…入れば?」
「うん。」
ドアを大きく開けると、
円はためらうことなく部屋に足を踏み入れた。
間もなく、男子の歓声が上がる。
「いらっしゃい!」
「みんな座って座って。」
男どもに狙われてるなんて露知らず、
呑気なバカだな。
イライラが募る俺を円が振り返った。
「宮は来ないの…?」
「俺は…」
「あぁ!ジュースなんかいいから!
恭介も来い!座れ!」
徹に促され、仕方なくドアを閉めた。