「お、お前…起きて…!?」
「宮くん!!
私今寝てたの!?」
「そんなことより、今の聞いてたか?」
「聞いてたけど!何!
そんなことより!!私寝てたの!?」
「はぁ?」
宮くんは、眉間にシワを寄せ、
不良みたいに私を睨み付けた。
いつもの爽やかな姿からは想像できないような表情だ。
「寝てたっつうか、気絶してたんだよ。
俺が蹴ったボールが頭に直撃して。」
「気絶…
え、でも…寝て…
そんな…わ、私…っ」
「おい、大丈夫かよ…」
「触らないでっ…!」
私は差し出された宮くんの手を振り払った。
宮くんはまた眉間にシワを寄せ、
不快そうに私を見下す。
私は小声で
「ごめんなさい」
とだけ言って、保健室を飛び出した。
私…寝ちゃった…!
寝ちゃったんだ…!!
駆け込んだトイレの中で、
恐怖からか不安からか、
私は放課後までずっと泣いていた。
自分でも何がなんだかわからなかった。