*
桜の開花の便りが道内にも届き始める。
好きな人とお花見に行く夢が、28年目にしてようやく叶う時が来た。
「翼ー、お弁当のおかず何がいい?」
お花見に持っていくお弁当を、お母さんと作りながら翼に訊いた。
重箱を持って行くのが私の憧れ。
今日はいつに増して気合いが入り、大量に作ってしまう。
私、翼、お父さん、お母さんの四人でお花見。
家族でお花見なんて、小学生以来かも。
「卵焼きー!後、亜衣の好きなやつ」
リビングで、翼とお父さんが男同士の会話をしている。
飲み仲間だったこともあり、すごく仲がいい。
もはや親子みたいな関係。
「分かったよー!お父さんは?」
「酒のつまみに合うやつ」
「お父さん、そればっかじゃん」
私は笑いながら、重箱にできたおかずを詰めていった。
「できたー!」
「お疲れ様!」
お弁当が完成した横で、お母さんが洗い物をしている。
「お母さんがいてくれたから、早く終わった!
一人だったら絶対できなかったよ」
「お花見楽しみだね。
今年も綺麗に咲いてるといいわね。」
「そうだね!楽しみ!」
*
翼の運転で、お花見で有名スポットでもある、咲ら(サクラ)公園に到着した。
公園の中に入ると桜の周りには、レジャーシートを敷いた人達で埋まっている。
「どこにする?」
「あ!あの場所がいいんじゃないか?」
導くようにして私の手を引く翼。
着いた先には、ポツンとたたずむ大きな桜の木があった。
私達を待ちわびていたかのように、風に揺られ、桜の花びらがそっと舞う。
「俺達が先客みたいだな」
レジャーシートを広げ、四人仲良く座った。
重箱を開けると、美味しそうなおかずがぎっしり入っている。
私の好物といえば、ミートボールとから揚げと卵焼き。
お弁当ではこの三つが欠かせない。
「「いただきまーす!!」」
取り皿におかずを取って乗せる。
あれもこれもと乗せていたら、いつの間にか山盛りになった。
「どんだけ食うんだよ。」
「だって、食べるの好きなんだもん」
「翼だって私と同じく山盛りじゃん」
翼の取り皿を見ると、私と同じく山盛りではあるが、私と違い偏りがなく、色々なおかずが入っていた。
「そりゃ美味しいからね」
私の作った卵焼きをパクパク食べている姿が、見ていてとても微笑ましい。
「幸せ」
私はボソッと声に出した。
桜の開花の便りが道内にも届き始める。
好きな人とお花見に行く夢が、28年目にしてようやく叶う時が来た。
「翼ー、お弁当のおかず何がいい?」
お花見に持っていくお弁当を、お母さんと作りながら翼に訊いた。
重箱を持って行くのが私の憧れ。
今日はいつに増して気合いが入り、大量に作ってしまう。
私、翼、お父さん、お母さんの四人でお花見。
家族でお花見なんて、小学生以来かも。
「卵焼きー!後、亜衣の好きなやつ」
リビングで、翼とお父さんが男同士の会話をしている。
飲み仲間だったこともあり、すごく仲がいい。
もはや親子みたいな関係。
「分かったよー!お父さんは?」
「酒のつまみに合うやつ」
「お父さん、そればっかじゃん」
私は笑いながら、重箱にできたおかずを詰めていった。
「できたー!」
「お疲れ様!」
お弁当が完成した横で、お母さんが洗い物をしている。
「お母さんがいてくれたから、早く終わった!
一人だったら絶対できなかったよ」
「お花見楽しみだね。
今年も綺麗に咲いてるといいわね。」
「そうだね!楽しみ!」
*
翼の運転で、お花見で有名スポットでもある、咲ら(サクラ)公園に到着した。
公園の中に入ると桜の周りには、レジャーシートを敷いた人達で埋まっている。
「どこにする?」
「あ!あの場所がいいんじゃないか?」
導くようにして私の手を引く翼。
着いた先には、ポツンとたたずむ大きな桜の木があった。
私達を待ちわびていたかのように、風に揺られ、桜の花びらがそっと舞う。
「俺達が先客みたいだな」
レジャーシートを広げ、四人仲良く座った。
重箱を開けると、美味しそうなおかずがぎっしり入っている。
私の好物といえば、ミートボールとから揚げと卵焼き。
お弁当ではこの三つが欠かせない。
「「いただきまーす!!」」
取り皿におかずを取って乗せる。
あれもこれもと乗せていたら、いつの間にか山盛りになった。
「どんだけ食うんだよ。」
「だって、食べるの好きなんだもん」
「翼だって私と同じく山盛りじゃん」
翼の取り皿を見ると、私と同じく山盛りではあるが、私と違い偏りがなく、色々なおかずが入っていた。
「そりゃ美味しいからね」
私の作った卵焼きをパクパク食べている姿が、見ていてとても微笑ましい。
「幸せ」
私はボソッと声に出した。