デザートを食べ終え家に着いた頃、辺りはもう薄暗くなり、街灯が付き始めていた。
また遅くなったら怖いし、今日は色々あったから疲れちゃった。
リビングのソファーに頭をつけて横になる。
思わずため息がこぼれ、お母さんがすかさず聞いてきた。
「何かあったの?」
「お母さんだってニュース見たんでしょ?
武藤翼が犯罪者だった」
武藤翼が犯罪者の話をしても、お母さんは驚かなかった。
むしろ温かく迎えてくれた。
「亜衣、翼くんのこと好きなんでしょ?
見たら分かるわ
あんな嬉しそうに話していたもんね」
「でも犯罪者なんだよ。例え好きでも、お父さんが許してくれない」
「また決めつけてない?
亜衣の良くないところだよ
お父さんもそれを心配してるの。
夢だって、絶対に叶わないと思ってない?
何年経っても、絶対に叶う!
そう強く願って行動していたら、幸運の切符をいつか手にすると思うの。」
お母さんは正論ばかり言うから尊敬する。
道を外れそうになった時、いつもアドバイスしてくれた。
今だって。
私のことをよく知ってるから、改めて言えることなんだと思う。
本当に強いよ。お母さんは偉大だよ。
子に何を言われても、平気な顔をしてるんだから。
本当は辛いはずなのに、けして口に出さない。
「私…翼が好き。
帰りを待っていてもいいよね?
歌手になる夢を諦めたわけじゃないよ
応援してくれる人がいるから、私は頑張れる。
絶対に歌手になる!いや、なります!」
「そうだよ!その意気だよ
お母さんは、亜衣の夢をちゃんと応援してる
それはお父さんだって同じ気持ち。」
「ありがとう!」
その後お父さんが帰って来て、家族で食卓を囲んだ。
今日は大好きなカレーライスに、ポテトサラダ!
「いただきまーす!」
今日に限って普段より食欲旺盛になり、軽くカレーライス二杯半を平らげた。
「お腹いっぱい」
「今日は本当によく食うな
お腹出でるぞー」
陽気に笑うお父さんを睨み付ける。
「悩んでても何も変わらないし、それなら自分の好きな物を食べて、また明日から頑張ろうかなって」
「武藤くんの件、残念だったな
お父さんもニュースを見て驚いたよ
まさか、あの優しい武藤くんがな…」
シーンと食卓が一気に静まり返る。
いつその話を切り出そうか、迷っていたらしい。
「お父さん、私お母さんには話したんだけど、翼のことが好きなの。
だから帰りを待っていてもいい?」
「亜衣の好きなようにしなさい
亜衣が好きになった人なんだから、お父さんは応援してるよ。」
お父さんが雰囲気を明るくするために、鼻歌を突如歌い出した。
私も一緒になって鼻歌を歌っていると、お母さんも真似して後に続く。
私の周りがプワッと光輝くみたいに、一気に場の空気が明るくなった。
まるで私達、鼻歌合唱団みたい―――。
また遅くなったら怖いし、今日は色々あったから疲れちゃった。
リビングのソファーに頭をつけて横になる。
思わずため息がこぼれ、お母さんがすかさず聞いてきた。
「何かあったの?」
「お母さんだってニュース見たんでしょ?
武藤翼が犯罪者だった」
武藤翼が犯罪者の話をしても、お母さんは驚かなかった。
むしろ温かく迎えてくれた。
「亜衣、翼くんのこと好きなんでしょ?
見たら分かるわ
あんな嬉しそうに話していたもんね」
「でも犯罪者なんだよ。例え好きでも、お父さんが許してくれない」
「また決めつけてない?
亜衣の良くないところだよ
お父さんもそれを心配してるの。
夢だって、絶対に叶わないと思ってない?
何年経っても、絶対に叶う!
そう強く願って行動していたら、幸運の切符をいつか手にすると思うの。」
お母さんは正論ばかり言うから尊敬する。
道を外れそうになった時、いつもアドバイスしてくれた。
今だって。
私のことをよく知ってるから、改めて言えることなんだと思う。
本当に強いよ。お母さんは偉大だよ。
子に何を言われても、平気な顔をしてるんだから。
本当は辛いはずなのに、けして口に出さない。
「私…翼が好き。
帰りを待っていてもいいよね?
歌手になる夢を諦めたわけじゃないよ
応援してくれる人がいるから、私は頑張れる。
絶対に歌手になる!いや、なります!」
「そうだよ!その意気だよ
お母さんは、亜衣の夢をちゃんと応援してる
それはお父さんだって同じ気持ち。」
「ありがとう!」
その後お父さんが帰って来て、家族で食卓を囲んだ。
今日は大好きなカレーライスに、ポテトサラダ!
「いただきまーす!」
今日に限って普段より食欲旺盛になり、軽くカレーライス二杯半を平らげた。
「お腹いっぱい」
「今日は本当によく食うな
お腹出でるぞー」
陽気に笑うお父さんを睨み付ける。
「悩んでても何も変わらないし、それなら自分の好きな物を食べて、また明日から頑張ろうかなって」
「武藤くんの件、残念だったな
お父さんもニュースを見て驚いたよ
まさか、あの優しい武藤くんがな…」
シーンと食卓が一気に静まり返る。
いつその話を切り出そうか、迷っていたらしい。
「お父さん、私お母さんには話したんだけど、翼のことが好きなの。
だから帰りを待っていてもいい?」
「亜衣の好きなようにしなさい
亜衣が好きになった人なんだから、お父さんは応援してるよ。」
お父さんが雰囲気を明るくするために、鼻歌を突如歌い出した。
私も一緒になって鼻歌を歌っていると、お母さんも真似して後に続く。
私の周りがプワッと光輝くみたいに、一気に場の空気が明るくなった。
まるで私達、鼻歌合唱団みたい―――。